こんにちは。ヘアメイクで現代アーティストのLimoです。
LimoPiece015 ” The Universe “は
ヘッドピース作家であるLimoがメンズでも似合うヘッドピースに初挑戦した作品です。
この作品のキッカケ・材料・作り方、撮影、名前の由来、その後の展開と教えをまとめました。
LimoPiece015 ” The Universe “のキッカケ
この作品のきっかけは、とある作品撮りに誘われたことです。
作品撮りというのは、
クリエイターたちが仲間を募って、今後の仕事のためだったり、好きなテイストの作品を作ったりする撮影のことです。(テストシュートとも言います)
その当時、モデルエージェントを『Donna Models』に変えたばかりのHideki Asahinaさんが、新しいテイストの自分の写真が必要とのことで、始まったテストシュートでした。
『男性モデルのテストシュート』
男性モデルさんは仕事でよくご一緒するので、わざわざ作品撮りする必要はLimoにはなかったりします。
しかし、
『テストシュートの声がかかったら、前向きに参加する』
事にしていたLimo。
喜んで快諾しました。
このテストシュートで初めましてのフォトグラファー の西澤 崇さん。
事前の打ち合わせで、私のヘッドピース作品の写真を見せたところ、
『面白いですね。男性用のヘッドピースを、今回のテストシュートのために作るってどうですか?』
今まで、男性が纏う想定でヘッドピースを作ったことがなかったLimo。
全く素敵なアイディアは浮かびません。
当然、西澤さんの期待に応える自信もありません。
でも、ワクワク楽しそうに話している西澤さんのテンションに飲み込まれて、
『それ良いですね!撮影当日までに面白いモン作ってきます!任せてください!』
と、言ってました。
LimoPiece015 ” The Universe “の材料・作り方
ついついその場の雰囲気で、大見得を切ってしまったLimo。
さてさて、どーするか?
短絡的にとりあえず、色合いを男性っぽくしてみようと考えた。
黒、グレー、白、モスグリーン、渋めの色。
素材も男性っぽいもの。。。。
目に入ってきたのは、自宅にあったレジャーシート(グレー)と透明なビニール素材。これは使えそうだ。
形はどーしようか?
ピンタレストを検索すると、先人たちのお知恵がいっぱい。アイディアを拝借。
材料:
ワイヤー・グレーのレジャーシート・古着(実家に眠っていた母親の怪しげなレトロなジャケット)
作り方:
①ワイヤーで形を作る。
②長細く切ったレジャーシート・古着をワイヤーに巻きつけ、グルーガンでとめる。
試行錯誤しながら作ったので、制作には4日間かかりました。
手順を②→①に変更すると、もっと簡単に作れることが分かりました。
しかし、より複雑な表現をしたい場合は、時間と手間はかかりますが、最初に形を作ってから、布を巻きつける方法をお勧めします。
同じ時期に、メンズ用のヘッドピース・マスクはLimoPiece015 ” The Universe “以外にも、合計3つ作ってみました。
それぞれの作品については、また今度まとめます。
LimoPiece015 ” The Universe “の撮影
初めて、事前に撮影してもらえることが決まっていた作品。
作りながらも、これは面白い写真になると、ワクワクしていました。
そして、素敵なニュートラル感があるAsahinaさん
顔が見えるヘッドピース作品の場合、モデルさんの世界観と質は大きなウエイトを占めてきます。
彼には男性でも、女性でもない表現がぴったりだったので、肌から血色を抜いて、眉毛を消したメイクを施しました。
似合う!
このなかなか似合うことができないメイクがとっても似合う!
最高です。
しかし、
現実でブチあった壁は、短髪のモデルさんに大きなヘッドピース をつけるのは、とっても大変というコトでした。
作品を作る事に必死で、つける人のことまで、計算が至っていませんでした。
(いやーー、反省)結局、力技でねじ込むというスマートではないやり方。
LimoPiece015 ” The Universe “名前の由来
この作品は魅力と力強さがあったので、何かコンテストに出せるレベルだと思っていました。
ある時現代アーティストの友達から、
AKASHI ヘッドアートコンテストを勧められたので、挑戦してみる事にしました。
その年のテーマが『コスモ』
もともと、誰かの思考が無機質な宇宙の惑星の軌道と似ているイメージがあったので、シンプルに宇宙という意味で、” The Universe “と名付けました。
結果は、トップクリエイター部門にて入選しました。
その後の展開
LimoPiece015 ” The Universe “はモノトーンでシンプルなので、いろんなシチュエーションにハマりました。
中がワイヤーなので、好きな形にできるのも良かったです。
情報量を極限までセーブした結果、逆にイメージを膨らますことができます。
何か思考や宇宙を感じる曲線と無機質が混ざった魅力的な作品になりました。
とある舞台の死神役に使われたり、ダンスビデオに使われるヘッドピースの候補になりました。
Limoが自分で作ったbookの表紙になり、数年の間、LimoPieceのメインビジュアルになった作品です。
この経験からの教え
自分の中だけでは、一生、メンズ用のヘッドピースというアイディアは出てこなかったかもしれません。
他の人と話したり、打ち合わせの中から、自分だけでは発見できない新たな道が見つかる可能性は高いです。
そして、アドバイスをもらった時は、
『できない』
『気が進まない』
『自分がしたいことと違う』
『的外れなアドバイスだ』
『時間がもったいない』
とか、よぎったとしても、それは声に出さずに、一旦、試してみることをお勧めします。
案外、考えている時よりも、実際、行動することで、自分のバイアスが外れる場合が多いです。
チャンスやキッカケって、実は些細ないろんなところに転がっていて、それを素直に受け入れていないのは、実は自分なんです。
ひとりでできること
ひとりのアイディア
には、どうしても限りがあるんです。
いつか、ネタやアイディアがなくなったら、どうしようと悩んで、何も行動に起こせないよりも、周りの他のブレインを信じて、やりたいことを今日から始めてみましょう。
フォトグラファー:西澤 崇
モデル:Hideki Asahina